Withコロナ時代の医療と介護

産業医科大学医学部 公衆衛生学教授の松田 晋也氏をお招きし、今回のコロナ対策の反省点から、今後の医療・介護提供体制、感染症に強い社会の在り方を考えます。

新型コロナウイルス感染症の拡大により、我が国の社会経済は大きなダメージを受けている。欧米に比較して我が国の感染者数は少ないが、感染者に対する死亡割合（致命率）はおおむね2％で、彼我の差はほとんどない。したがって、我が国においても感染者の拡大を防ぐことが最も重要な公衆衛生戦略になる。

国のコロナ対策に対する批判が高まっているが、感染症対策の基本は個人の自覚である。感染を広げるのは個人の行動であり、適切な行動変容がなければ感染の拡大は収束しない。適切な表現ではないかもしれないが、我々は被害者にも加害者にもなりうるのである。
今回のコロナ感染症の拡大は我が国の医療介護提供体制の弱点を露呈した。小規模な民間病院に依存した急性期入院医療提供体制は、今回のような緊急時には機能しないことが明らかとなった。2009年の新型インフルエンザ感染症、2011年の東北大震災を経験して、我が国は健康危機管理のための医療計画を作成したはずであった。しかし、それは機能せず、医療機能の見直しを目的とした地域医療構想も、当初の目的通りには進展していない。

今回の新型コロナウイルス感染症の拡大を契機として、今後の医療介護提供体制の在り方、感染に強い社会の在り方を考え、それを「実行」に移していくことが、喫緊の課題である。

　講師：
　　松田　晋也 氏　産業医科大学 医学部 公衆衛生学 教授

＿座長：
＿＿新田 國夫　当会副会長・一般社団法人 全国在宅療養支援医協会 会長

＜参加費＞　当フォーラム会員…無料　／　一般…1,000円（税込）

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